The Oriental Spa 〜ザ・オリエンタルスパ〜
『とにかく百聞は一見にしかず、最高峰の御殿に潜入!の巻』
高級ホテルが数多く林立するバンコク。その中でも、誰もが真っ先に名をあげるであろう世界を代表する名門ホテル「オリエンタルホテル」。バンコク在住4年の私でも何となく恐れ多く、かつてロビーラウンジでコーヒーをいただいたのみたった1度しか足を踏み入れたことはない。そんなホテルの強力な切り札でもある超有名スパ、「オリエンタルスパ」へ、身の引き締まる思いでアベタイついに潜入と相成りました。
スカイトレインBTS終点の『サパンタクシン』駅で下車し、階段を下りるとすぐ、船着き場が見えてくる。スパは、ホテルとはチャオプラヤ川を隔てた対岸にあるため、定期的に巡回するホテル専用送迎船で向かうことになるのだが、それだけでも観光客心をくすぐるものがある。
船に乗り込んだ瞬間からすでにリゾート気分満点で、約10分間のクルーズが妙に楽しい。しばしはしゃいだ後、コロニアル風の南国庭園に降り立った。どうやら目指すスパは、椰子の木々の奥にあるらしい。タイシルクの衣装をまとった美しい女性に案内され進んでゆくと、ひっそりと佇むタイ伝統家屋が現れた。都会の喧噪とは完全に隔離されている。何となく、シンガポールのラッフルズホテルを思い出す。
靴を脱ぎ中へ入ると、重厚なチーク素材の家具とハーブの香りが心地いい。早速メニューを渡され、レモングラスティーが運ばれてきた。ハチミツがほんのり甘く、美味。本来なら、半日もしくは1日かけた優雅なスパパッケージが人気なのだが、ちょっと午後のお昼寝的なリラックスをしたく、かつ時間のない私は、1時間のベーシックなスウェディッシュマッサージを選んだ。個室に通されすでに驚愕。私の安アパートの2倍はある!それもそのはず、本日は特別に「デラックススイート」(追加料金 1時間15$)使用なのである。このほかにもさらに広い、「オリエンタルスイート」(追加料金 1時間20$)もあるというから驚き。この2部屋は二人使用可能なので、是非カップルで訪れてみたい。
部屋の広さにすっかり目を奪われているところに、本日の担当ワンニーさん登場。再びよく冷えたお茶を頂き、フカフカのバスタオルを渡された。「シャワーを浴びて待っていてください」と、彼女がしばし部屋を後にしたスキに、すかさずお部屋チェックを開始!ドレッサーに添えてある花や洗面台など、細かいところもかわいらしく、高級スパならではの心配りが感じられる。クローゼットにはセーフティーボックスも備え付けられていて安心。サウナはドライ、スチームの2種類、オマケにジャグジーまでついていてすっかりお姫様気分。バラの花を浮かべ、シャンパンでものみながら浸かりたい気分だ。シャワールームもガラスばりでゴージャス。頭上には、私の頭2倍サイズのシャワーヘッドと、壁には左右前後に水が噴き出すジェットホールも埋めこまれ、このシャワールームだけでも1日楽しめてしまいそう。肝心のマッサージもまだなのに、すでに満ち足りた気分になってしまった。
すっかり時間が経ってしまい、スチームサウナに未練を残しつつ慌ててシャワーを浴びて待っていると、彼女が戻ってきた。キングサイズのマットに横たわり、いよいよマッサージスタート。すりガラスを通して降り注ぐ日の光が、まさに「日曜の午後」といった雰囲気で、すでに眠気を誘っている。マッサージに使用されるオイルは、タイ北部の山岳地帯で育ったハーブのブレンドオイル。筋肉のこりや緊張を緩和する働きがあるそうだ。もちろんオリエンタルスパ特製で、ホテル内のショップで購入も可能。初夏の高原を散歩しているような、なんともよい香りが漂ってきた。
マッサージはまさに的確的中といった感じ。普段、路地裏のマッサージ屋で、太ったオバチャンにコテコテのタイマッサージをされることに慣れている私の体には、高級スパのスウェディッシュマッサージは物足りないかも、と思ったが、繊細で絶妙な力の加減にに早くも脱力状態。なぜか首の付け根が軟骨のように固く凝ってとれない部分があるのだが、すかさず発見され、特に念入りにほぐしてくれている。それだけでも、まるで肩がどこかへ消えてしまったかのように軽い。これ以上意識が遠のくのを防ぐため、彼女にひたすら話しかける。今までこの部屋でトリートメントを受けた有名人の名前、でるわでるわ各国の首相やそのご婦人、有名俳優の名が。私も今日から仲間入り!とほくそ笑みながらも、睡魔には勝てずあえなく落城してしまった。
いつのまにか体をひっくり返されたところで意識復活。首からデコルテにかけてのマッサージが続き、手のひらの指圧が何とも気持ちがいい。手足の指の1本1本まで丹念にほぐされ、あっと言間に1時間が経ってしまった。体を起こすと、来たときより明らかに体が軽くなっているのが分かる。凝りをほぐすため、体をボキボキ鳴らすタイマッサージも良いが、この贅沢な雰囲気の中では、オイルマッサージでリラックスするのが向いているかも、と納得。マッサージオイルにありがちなべたつきもいっさいなく、すぐに服を着られる。1日中冷房が効いた室内で常に乾燥にさらされている肌にオイルが浸透し、まさに外側サラサラ、内側しっとり、なのである。3時間くらいはシャワーを浴びずにそのままにして欲しいとのことだ。オフイスへ帰った後も、体にほのかに香りが残り、時々クンクンしてしまった。
このスパの1番の売りは、やはり最高級の雰囲気だろう。私は今回、ベーシックなマッサージを1時間受けただけだが、それでも十分満ち足りた気分を味わうことができた。しかし、さらにもっと幸せに浸るには、やはり贅沢に時間を使えるパッケージをお勧めしたい。中でも「ザ・オリエンタルスパ・デイ」(295$)が1番人気だそうだ。また、2泊3日のスパパッケージ(シングルルーム770$〜)で究極の贅沢をするのもいいだろう。その他に、タイのハーブやフルーツをふんだんに使ったスクラブも人気で、中でもパパイヤボディポリッシュがお勧めとのこと。良く頑張った自分にご褒美をあげたいとき、えいっ!と奮発して是非利用して欲しいスパである。私はいつの日かバンコクマダムデビューをして、さっくり月に1度くらい訪れることを夢見ながら、帰りの船上で風に吹かれていたのであった。
取材・執筆:Keiko(avenu) 写真:Noom(avenu)
●この記事は2004年2月取材時のものです。その後の加筆・修正はしておりません。
●この記事は、記事の内容とまったく同じものが受けれることを保証するものではりません。
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